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出発前の注意

モンゴルの医療水準は低い、できれば旅行前に歯科検診を含み健康診断を受けたほうがよい。長期で行く場合は特に、各種予防接種も受けておこう。在モンゴル日本国大使館のホームページにて、最新の医療情報が随時掲載されているので、旅行前に一読しておくとよいだろう。
www.mn.emb-japan.go.jp
また、もしものときのために、海外旅行保険には必ず加入しておきたい。

成人に必要と思われる予防接種

・A型肝炎:抗体検査をして陰性の場合
・破傷風:ジフテリアと破傷風を合わせて、DTワクチンとして接種可能
・B型肝炎:抗体検査として陰性の場合
・日本脳炎:北京株
子供に必要と思われる予防接種
・ジフテリア、BCG、麻疹、風疹、水痘
・3種混合(DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風)
・ポリオ
その他、必要に応じて
・ペスト:山岳部などタルバガンの生息地に入る場合、ワクチン接種が望ましい
・狂犬病:少なくとも長期滞在予定者はワクチン接種を強く推奨する。

常備薬を持参

モンゴルでは、手に入る薬の種類が非常に限られているので、普段から使い慣れた薬を持参しよう。痛み止めやカゼ薬、整腸剤、下痢止め、各種軟膏、目薬などがあるといいだろう。また、持病(高血圧、糖尿病、ぜん息など)を持っている人は、主治医に依頼して、英文で書かれた紹介状または経過記録を携帯するとよい。同様に、常用薬やアレルギーのある人も、その薬の一般名を英文で記載してもらい、モンゴルで医療機関を受診する際に医師に提出するようにする。地方への車での旅行は、悪路で揺れが激しいため、車酔いする人が多い。自信のない人は、酔い止めを持参したほうがよいだろう。

夏の注意

夏季は蚊が多いので、殺虫剤があると便利。また、蚊取り線香や虫除けスプレーなどが必要となる。モンゴルの蚊に刺されると腫れが長引くことがあるので注意。
夏は日差しが強いので、帽子、日焼け止めは有用。冬季の乾燥対策にボディローションやハンドクリームも役に立つ。冬の寒さ対策には使い捨てカイロが便利。

医療状況

医療品や検査試薬などの慢性的供給不足、医療施設の老朽化などの問題があり、日本やお欧米に比べ医療や衛星状況は遅れている。消毒法やディスポーザブル製品の使用なども徹底されていない場合があり、病院での治療にともなう感染症もまだ完全に否定できない。外国人の重症例では、即時北京または日本への緊急移送を前提とした対応が必要である。

日本語の通じる病院
日本語の通じる病院は少ない。日本大使館の医務官に連絡すると、状況によっては電話での相談を受け付けたり患者の入院先を訪問してくれることもあるが、診療などの医療行為はできないことになっている。また、国立第2病院には日本語の通じる医師がいます。

病院の利用方法
受付時間内に直接病院に行き、順番待ちをする。大使館医務室を通じて予約するか、紹介状を持参すると、多少便宜を図ってもらえることもあります。
救急車はあるが、希望の病院に行けるとは限らず、また救急車も貧弱なので、利用はすすめられない。
外国人は、UDドルで医療費を請求される。料金は、一般診察US$15、レントゲン撮影US$10~20、尿検査・便検査US$5、採血による肝機能検査US$15前後。入院費用は、US$40~50/日程度。一番レベルが高いとされている国立大2病院では、このほかに個室料US$40/日が必要。病院で受診するときは、感染予防のために、使い捨ての針や注射器の使用を必ず確認し、外科的処置はできるだけ避け、待てるなら帰国後に行うほうが無難である。

かかりやすい病気
衛生状態が悪く、水に鉄分などの含有量が多い、(硬水)のため、下痢や軟便になることが多い。さらに地方のゲル等での飲食から、細菌性、ウイルス性の腸炎を起こすことがあるが、重症化は少ないので、普通は整腸剤や下痢止めの服用と充分な水分の補給でよくなる。
乾燥や1日の気温差が激しいために、カゼや扁桃炎、上気道炎を発症することが多い。断腸も多いので、シャワー利用時などにカゼを引かないように注意が必要。
また、春先は風が強いため、結膜炎を発症することが多く、一般用目薬が重宝する。極度の乾燥のために、皮膚そう痒症を発症することもある。それから動物に触ったら充分に手を洗うこと。モンゴル製の石けんは質が悪いので、日本から持参するとよい。
水に関する注意
浄水処理環境に問題があるほか、水道管のサビが水道水に含まれていたりするので、生水を飲まないのはもちろん、歯磨きの際にも使用しないほうがよい。同様に、氷も汚染されているので、飲み物には絶対に入れないように。水道水は、必ず1分以上沸騰させてから、自然に冷やして使おう。また、ザハや小さな商店でミネラルウォーターを買う場合は、フタが開いていないか必ず確かめること。誰かが飲み残したものに、水を注ぎ足して売られていることもあります。

水道管の通っていない地方では
川で汲んだ水を沸かして使用しているが、沸点まで沸ききっていない時点で使用していることも多く、ゲルなどで飲むお茶が原因で下痢をすることもある。変な物を食べていないのに、おなかの調子が悪くなったら、お茶をやめてみるのもひとつの方法です。

食べ物に関する注意
加熱調理していない食べ物や殺菌していない乳製品は絶対に避けること。果物を食べる場合は、自分で皮をむいて食べよう。また、生焼けだったり、調理してから時間の経ったものは、再加熱したほうがよい。生水を口にしないことも含め、以上の徹底させ、手洗いも頻繁にしていれば、A型肝炎、コレラなどの経口感染症も予防できる。

危険な病気

ペスト
モンゴルはペスト感染の危険がある、世界でも数少ない地域のひとつである。毎年4~5件程度の発症例があり、死亡例もある。タルバガが病原菌を保有しており、直接またはノミの媒介により人に感染する。
一度ペスト患者が発生すると、その地域一帯の交通は遮断され、接触者数百人が隔離されることもある。タルバガの肉を食べることは避けるべき。
急激な38℃以上の発熱、リンパ節腫脹、嘔吐、筋肉痛、頭痛、などの強い全身性の症状を主体とする腺ペストが多く、初期であれば抗生剤によって治療可能。潜伏期は2~7日。一種感染症のため、感染が疑われた場合、日本への移送は困難である。

B型肝炎
輸血などで、ウィルスが血液を介して体内に侵入する血液感染症。モンゴルには20~30%のB型肝炎のキャリアー(感染しているが発病していない人。他人への感染力を有する)がいるといわれており、旅行者は、性行為、病院での外科的処置により感染する。
症状は、初期の場合は全身倦怠感と食欲不振、軽度の発熱などで、カゼと間違うことが多い。採血して肝機能を調べないと診断は困難である。やむをえずモンゴルで治療を受けた場合は、日本に帰国した際にできるだけ早く肝炎の検査を受けてほしい。

A型肝炎
経口感染する。症状はB型肝炎と似ており、初期はカゼ症状と見分けがつかず、注意が必要。熱やだるさが長引くようなら、肝機能検査を受けてほしい。A型肝炎に感染した患者は、原則的に日本に移送することになる。モンゴルはA型肝炎感染の非常に多い地域なので、旅行前にぜひワクチンを接種したい。

細菌性髄膜炎
1994年より流行している。経過が急激で後遺症が出たり死亡することもある。患者のほとんどが3~5歳の子供で。突然激烈な頭痛、嘔吐、高熱、意識障害などを呈す。軽症でも、頭痛、発熱で発症。頭痛が長引くようなら髄液検査が必要。

コレラ
コレラ菌により汚染された飲食物により起こる経口感染。潜伏期間は1~3日で激しい下痢をともなう。便が米のとぎ汁の様になり、脱水がひどく衰弱する。通常、腹痛や発熱はみられない。治療の基本は脱水の是正であり、経口ないし点滴で補充する。

サルモネラ感染症
散発的にサルモネラ感染症がみられる。室内に放置されたタマゴを使用した料理が原因というケースがみられる、夏以外でも食中毒に注意が必要。タマゴを食べるのは危険です。

ジフテリア
小児期に予防接種を受けている人でも、追加接種を推奨する。患者または保菌者から咳などで菌が排出され感染する。症状は、鼻炎、咽頭扁桃炎、咳、発熱などである。

狂犬病
犬だけでなく、狼、狐、ラクダからもウィルスが検出されている。一度発病すると町がない無く死亡する、現代でも治療不可能な疾患。哺乳類はすべてウィルスを保有する可能性があるため、犬だけでなく他の家畜などにも無防備な接近は厳に慎むべき。
犬などに噛まれたらすぐ医療機関で受診し、その日のうちに第1回目のワクチン接種および免疫グロブリン接種が必要。同時に、噛んだ犬などをつかまえて観察することも重要。10日間観察し、噛んだ犬が発症しなければ大丈夫である。

ブルセラ症
人畜共通感染症のひとつで、牛、ヤギ、羊、犬などとの接触によって起こるカゼのような全身症状が特徴。潜伏期間は約2週間。モンゴルでは、肝疾患に次いで2番目に多い。心内膜炎を合併すると危険。抗生物質の服用が治療、予防に有用だが、2種併用かつ長期の服用が必要である。


炭疽
生物兵器テロで有名になった恐ろしい感染症だが、モンゴルでは自然発生があり、牛や馬などから人に感染する。感染地区では牛へのワクチン投与等も行われているようで、汚染地域に立ち入らなければ感染の心配はまずない。
皮膚炭疽の病態でかゆい発疹から始まり潰瘍を形成する。菌の皮膚付着で感染し、傷があるとさらに危険。感染牛の肉食で腸炭疽を起こす可能性もある。
潜伏期間は1~7日。流行地を旅行する際は注意し、帰国後に皮膚病変を認めたら病院での受診をすすめる。

モンゴルの医療機関

国立大2病院
Ulaanbaatar,Bayanzurkh Distrit,Peace Avenue49
Tel:011-450129,450210

帰国後の注意
少しでも変わった症状があれば病院での受診をすすめる。モンゴルでは結核は非常に多い疾患なので、胸部レントゲン撮影や、検便も寄生虫疾患を見つけるためにも受診をしておいたほうがよい。



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