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デールの歴史

 モンゴルの衣装をデールという。デールは形式的に見ると男女の区別がなく、襟を左前に合わせ、右肩の部分をボタンで留める。袖は長い物と短い物があり、男女とも帯をしめる。裾は前裾より後裾がやや長く、襟はカラーを入れてあるように高くなっている。しかし、この襟の高いのは17世紀以降の満州族の清朝の影響だと言われている。漢文資料や、13~14世紀のヨーロッパからの旅行者たちの記録を見ると、モンゴル人の服装はかなりの変化をしてきたことがわかる「 彼らは男女を問わずハンダガイ(へら鹿)の皮で短いデールを作って着る」とか「皮のデールを着る」の記事がある。また、「彼らのデールは左開きである」との記録もある。
ところが13世紀(元の時代)には「衣装は右開き、つまり左前になった」のである。元史には、「役人の礼服の襟を右開きにせよ」という布令が出されたとある。しかしながら、その後長い間「左開き」のデールが縁起のよいものと考えられていたのである。つまり、右開きか左開きかはその時代の流れでかなり自由だったと思われる。ちなみにあるチンギス・ハーンの像は、左開きの像もある。

デールの布地

古い時代の記録を見ると、夏には絹や木綿の衣装を、冬には毛皮の衣装を着たという。現在でもそれと同様なこともあるが、一方では夏の衣装に毛皮の内張りをして冬を過すこともあるのである。古来モンゴル人は狩猟と遊牧をその生業としてきたために、衣装の素材も当然のことながら毛や皮を用いてきた。そして、厳寒の地であり戸外で家畜とともに暮らす時間が多いので、戸外の寒さに耐え得る衣服を発達させてきたのである。

靴と帽子

靴と帽子も不可欠なものである。モンゴルの靴はゴタルといい、皮革やフェルトを用いて作る。膝の下あたりまでの長靴で、伝統的な靴はつま先の先端が上に反り返っていた。その理由はよくわからないが、落馬した時反り返った靴の先端が鐙にひっかかってぬげやすいためとか、草の中を歩くのに適しているとか説明するモンゴル人がいる。実際的な理由だけでなく、美意識の問題でもあろう。冬場が-50℃以下にもなるモンゴルでは、帽子が大切だ。彼らの帽子は狐、タルバガン、ミンクなどの毛皮を用いて作っていたが、20世紀の初め頃より、ヨーロッパ式の帽子を用いるようになった。しかし、草原の生活、特に冬などには毛皮の帽子が多く用いられている。


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